鉄人28号 原作完全版 (1) 著者名:横山光輝
出版社:潮出版社
出版年:2008.10
ISBN :EB60020785
たまたまTVのBSをつけたら、劇場映画版『鉄人28号 白昼の残月』(今川泰宏監督)がはじまるところだった。
昨年、テレビ東京で『鉄人28号』をやっているのは、これもたまたま見かけることがあった。
『鉄人28号』は、小学生の頃、最も好きだったアニメ。当時、手塚治虫の『鉄腕アトム』と人気を二分していた。鉄人とアトム、どっちが強いかで、けんかまでしていた子もいた。僕は、鉄人派だった。
それでも、これといってリメイクには興味がなかった。
だが、『鉄人28号 白昼の残月』は、最初から衝撃的だった。
現在、昭和30年代ブームといわれる。それは、戦後の焼け野原から立ち直り、高度成長期へと向かうロマンチックな風景で成立している。
だが、それは本当の姿だろうか。
ほとんどの人間が戦争にかかわり、なかにはアジア諸国で残虐な行為をしていた者もたくさんいただろう。そして、一方では戦争の亡霊がうごめきはじめていた。
昭和30年代のレトロブームは、完全に被害者の物語を土台にして成立している。
加害者としての物語は、見事に隠されている。
だが、この映画に描かれている昭和30年代は、まったく違う。
僕の記憶では、あくまで鉄人は悪者どものつくったロボットと戦う正義の味方だった。
だが、この映画では、鉄人は前大戦の日本の最終兵器として開発されたものであり、そして他の登場人物たちも何らかの戦争の傷を背負っている。
実際、前大戦末期、日本は一発逆転の兵器をもっているという噂が流れていた。その証言を何人もの人から聞いた。
どこまでが原作通りなのか、確認するために本書を購入した。
原作でも、鉄人は前大戦の最終兵器として開発されていた。
映画では、原作と違って大きく物語をつくっているが、もしかしたら原作者の横山光輝の戦争への思いを最も反映しているのかもしれない。
あっというまに、今川泰宏監督のファンになってしまった。
音楽を担当したのは、伊福部昭。
ゴジラのテーマ曲で有名な伊福部さんだが、鉄人で使われた曲がまたいい。
もともとは、アイヌのリズムで書かれた曲。
今一度、この昭和30年代ブーム、そしてこの国の戦前、戦中、戦後を見なおすいい機会かもしれない。
手元にある鉄人28号関係の書籍は下記の通り。
* 『鉄人28号』原作完全版A(潮出版)2005年

