『遺稿 コタン』
著者名:違星北斗
出版社:草風館
出版年:1995
27歳の若さで逝ったアイヌ民族の歌人、違星北斗の遺稿集。
違星北斗もまた、アイヌ民族解放を志した歌人である。
ただ、やはりバチェラー八重子の歌と同様、その稚拙さは否めない。
ただ、散文にはキラリと光るものがある。
もし、もっと長く生きていたらアイヌ現代文学を代表する文学者になっていたかもしれない。
違星北斗の面白いのは、批判の対象が、差別者である日本人にばかり向けられるのではなく、その差別を受け入れているアイヌに向けられている点である。
アイヌとして自らも生きることが困難だった時代、そうすることで自らを励まし、歌を書いていたのかもしれない。
人間としても、愛くるしさを感じる。

