どろろ 1
著者名:手塚治虫(著)
出版社:講談社
出版年:1981.03
ISBN :4061087479
かつて手塚治虫論を書こうとしたことがある。それも、宮沢賢治との比較により進めようと考えた。
宮沢賢治の極めて特異な「性」を扱った作品を見つけた。ふとのぞかせてしまったつぶやきのようなその小品のなかに、僕は賢治の隠れた本質を見出した。
同じように手塚治虫の作品のなかにもそれを見つけようとした。そのためにかなりの作品を読んだのだが、何も見出すことはできなかった。せいぜい「エロスとは、メタモルフォーゼ」という言葉を見出すぐらいだった。
そういったなかで、この『どろろ』は何かを垣間見せてくれるのではないかと期待した一書だった。
だが、残念ながら様々な都合で、突然終わってしまっている。どろろはなぜ女でなければならなかったのか。気になるところだ。
あとがきを読んでも、水木しげるに代表される妖怪ブームに対抗しようとして書きはじめられたせいか、あまり手塚治虫自身の愛着を感じられない。残念だ。
