2007年02月25日

『田原桂一 光の彫刻』図録(東京都庭園美術館)/2004年


田原桂一 光の彫刻
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著者名:東京都歴史文化財団東京都庭園美術館
     東京都庭園美術館=
出版社:ディーウォーカー
出版年:2005.01
ISBN :9784990229511


田原桂一は、一貫して光を問題にしてきた。それは、『窓』に代表される初期のコントラストの強いモノクロームの写真でさえ、問題にされているのは光だ。
この展覧会は、その一貫さがよくわかる。それは、光の彫刻にまで至った。
だが、はたしてそれは「光の彫刻」だろうか。
田原桂一にとっての光を巡る作品は、あくまで光を定着させることにある。それは、写真の拡張である。彼は一貫して写真を拡張しつづけたといったほうがよいのではないだろうか。だから、僕は彼の初期の『窓』や『ポートレイト』のモノクロ写真に、最も光を感じる。
ここでの「光」は、ジェームズ・タレルの「光」とは全く違う。
僕自身は「光」を演劇的にとらえる。そして、「彫刻」も演劇的にとらえる。僕にとって田原桂一の「光」も「彫刻」も演劇的ではない。それは、やはり写真だと感じる。一方、タレルの「光」は、演劇そのものだ。だから、田原桂一の「光の彫刻」というタイトルに違和感を覚えてしまう。

この図録は、DVD二枚で構成されている。
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2007年02月23日

『pater noster[少年の科学]』鈴木秀ヲ(モール)/1995年


パーテル・ノステル
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著者名:鈴木秀ヲ(著)
     津田基(編集)
出版社:モール
出版年:1995.11
ISBN :9784938628208


鈴木秀ヲさんとは、二年ほど前、一度だけ偶然出会ったことがある。ある写真展の企画を検討する席だったと思う。他にも数人の写真家がおり、批評家の飯沢耕太郎さんも同席していた。
鈴木さんとは、互いにどこかで会ったような気がすると話した記憶がある。
だが、僕は彼の作品を全く知らなかった。そして、最近また偶然彼の写真集を手にとっていた。それがこの『pater noster』。
この写真集は、タイトル通り、まさに[少年の科学]の世界だ。写真の質感がとても立体的で、その立体性は顕微鏡のレンズを仲介させたような印象だ。この手の写真は、幻想文学などによく使われがちだが、鈴木さんの作品は、それらを拒否しているように感じられる。全くそのようなイメージをもたせない。それは、徹底して閉じているということである。だが、不思議にもそこには素朴さがある。
序文で荒又宏氏も書いている。「少年は科学的であり、科学は少年的である。それを並べる素朴さ」と。
見られているにもかかわらず、少年は秘密の作業をつづける。そんな姿がそこにはある。
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2007年02月20日

『スーパーエッシャー展 ある特異な版画家の軌跡』図録(日本テレビ放送網)/2006年


『スーパーエッシャー展 ある特異な版画家の軌跡』図録
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発 行:日本テレビ放送網
出版年:2006


僕が最も美しいと感じる学問は、数学である。数字そのものが美しく、数式も美しい。数学は、余計なものがなく、物理学でさえ文学的だと感じさせる。
そのようなものを感じさせる表現者を、僕は好んできたように思う。
版画家M.C.エッシャーもそのような表現者のひとり。
2007年1月BUNKAMURAザ・ミュージアムに『スーパーエッシャー展』を観に行く。
彼の数学的作風はよく知られているところだが、その多くが木版画であることはそれほど意識されていないように思う。CGを思わせるあれらの作品が、原始的な手仕事だということにいつも驚かされる。
これだけのエッシャーの作品をまとまって観る機会は、今までなかった。貴重な経験だった。リトグラフの作品も多かったが、やはりコントラストのはげしい木口木版の作品に最も惹かれた。
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2007年02月16日

『ギュンター・ユッカー 虐待されし人間』図録(伊丹市立美術館/栃木県立美術館)/2004年


『ギュンター・ユッカー 虐待されし人間』図録
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出版年:2004
出  版:伊丹市立美術館
     栃木県立美術館


この図録は、ドイツで制作されている。そこに日本語版の小冊子がはさみこまれている形をとっている。日本の図録よりもたっぷりしたデザインになっている。
ギュンター・ユッカーは、1930年生まれの東ドイツ出身。戦後、西側に移住した。
彼の代表作は、60年代の大量の釘を用いた作品。
この展覧会は、日本の美術館での初個展となり、実際作品を目の前にすると、その虐待された人間の姿が、迫ってくる。それは、いまだ世界で起こっていることとして、そこにあった。 
日本では、政治的な作品として排斥されそうだが、そんな暢気なことを言っていられないほど、世界は危機に瀕している。日本だけがそれとかかわりなく生き延びてゆく道などもはやない。芸術とは、たえず世界と対峙し、未来の道しるべを模索する役割を担っているはずだ。
この国にも、そういった強い作品、世界を変えられほどの強い作品が生まれることを願ってやまない。
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2007年02月13日

『中空前夜』須永紀子(書肆山田)/2006年


中空前夜

著者名:須永紀子
出版社:書肆山田
出版年:2006.01
ISBN :9784879956613


詩人の須永紀子さんとはじめてお会いしたのは、祥子歌唱ライブ『悲劇の恋/歌』初演のときだった。須永さんには、制作として協力していただいた。
須永さんの詩は、等身大のリズムでつらぬかれ、そのベースには生活がある。そういった意味で、社会から脱落している僕などからはある種うかがいしれないところがある。
それは、時に凡庸さとしてあらわれ、時に狂気としてあらわれる。その狂気を詩の言語のきらめきとよぶにはどこかためらいを覚える。それは、決して女性の業としての狂気ではない。
この詩集『中空前夜』は、7冊目の上梓だという。全部の詩集を読んでいるわけではないが、一冊ごとにその凡庸な部分は姿を消し、この狂気のきらめきが増えているように感じる。それが何やら僕を不安にさせる。
詩の同人誌『雨期』を主催し、それは既に47号にものぼっている。その持久力にも驚かされる。
現在は、詩の朗読も精力的に行なっている。

手元にある須永紀子さんの詩集は、下記の通り。
* 詩集『わたしにできること』(ミッドナイト・プレス)1998年
* 詩集『至上の愛』(ミッドナイト・プレス)2002年
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2007年02月12日

『ふしぎなきかい』安野光雅さく・遠山啓監修(福音館書店)/2001年


『ふしぎなきかい』
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著者名:安野光雅さく
     遠山啓監修
出版社:福音館書店
出版年:2001


正直、安野光雅さんの絵にはなじめない。だから、あまり読んでもいない。
しかし、監修に遠山啓さんの名前があったので、読んでみることにした。
遠山啓さんは、数学者である。巨人だと感じる数少ない人のひとりだ。現行の教育に反対し、全国に「ひと塾」を設立した。
この絵本も、数学的想像力を刺激するものとなっていて、興味深い。
それでも、やはり僕には安野さんの絵はなじめなかった。

手元にある、安野光雅さく・遠山啓監修の本は下記の通り。いずれも、福音館書店刊。
* 『みずをかぞえる』(2001年)
* 『きれいなさんかく』(2001年)
* 『てんてん……』(2001年)

2007年02月06日

『ペンギンのペンギン』デニス・トラウト作 トム・カレンバーグ絵 谷川俊太郎訳(リブロポート)/1991年


ペンギンのペンギン
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著者名:デニス・トラウト(著)
     トム・カレンバーグ(画)
     谷川俊太郎(訳)
出版社:リブロポート
出版年:1983.02
ISBN :9784845700813


何とも不思議な本だ。
ペンギンの図鑑、ペンギンの歴史書、ペンギンの哲学書、なんとよべばいいのか。
作者のデニス・トラウト氏の職を転々とするその履歴を読んでも、なぜこの本を書こうとしたのかよくわからない。しかも、現在はコンピューターのプログラマーをしているらしい。
やはり、何とも不思議な本だ。

2007年02月04日

『ねずみとくじら』ウィリアム・スタイグ せたていじ やく(評論社)/1995年


ねずみとくじら
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著者名:ウィリアム・スタイグ(著)
     せたていじ(訳)
出版社:評論社
出版年:2007.02
ISBN :9784566001039


ウィリアム・スタイグも人気絵本作家だが、読んだことがなかった。
読んでみて驚いた。ねずみのエーモスとくじらのボーリスの哺乳類同士の友情物語なのだが、なんともいい話だ。
すべてがシンプルなのだが、何とも精細で、優しく響いてくる。
他の作品も読みたいと強く思う。

[追記]2008年1月14日(月)
* 『歯いしゃのチュー先生』うつみまお やく(評論社)2005年14刷
何ともいえない味わいがある。話にも絵にも、その味わいは静かに染みとおっている。読む者の心にも、それは静かに微笑みとともにしみこんでくる。

[追記]2008年4月2日
* 『ぬすまれた宝物』金子メロン訳(評論社)2003年8刷
やはり、スタイグは面白い。
それぞれ違った者同士(作品の中では別の動物として描かれている)が、どのような信頼をもてば仲良く共存してゆけるかが、スタイグの根本的なテーマであると感じられる。
子どもも大人も、読むべきだろう。

[追記]1008年4月7日
*『ロバのシルベスターとまほうのこいし』せたていじ やく訳(評論社)1997年9刷

2007年02月02日

『はらぺこあおむし』エリック・カール さく もりひさし やく(偕成社)/1990年


はらぺこあおむし 改訂
著者名:エリック・カール(著)
     もりひさし(訳)
出版社:偕成社
出版年:1989.02
ISBN :9784033280103


エリック・カールも人気絵本作家。
色とそのマチエールが子どもたちをひきつけているように思う。
姪と一緒に読んでいても、ページをめくるたびに歓声をあげる。

手元にあるエリック・カールの作品は、下記の通り。
*『できるかな? あたまからつまさきまで』くどうなおこ やく(偕成社)1997年。
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